隠れた人材価値
高業績を続ける組織の秘密 

Charles A. O'Reilly / Jeffrey Pfeffer 著 長谷川喜一郎 監修 廣田里子 / 有賀裕子 訳 定価:2200円+税 四六判上製  392ページ ISBN4-7981-0224-5

激しい競争を繰り広げる米国ビジネス界において、ごく普通の社員が働いているのに、驚異的な実績を上げ続けている会社がある。これらの企業は、なぜここまで成長を続けられるのか。それは、それらの企業が、隠された価値(すなわち、平凡な社員の潜在能力)を引き出す手法を知っているからである。さあ、あなたも自社の隠された価値を探そう!(Original Title:Hidden Value:How Great Companies Achieve Extraordinary Results [ Harvard Business School Press ])
ビジネスの目標はビジネスではない。 ビジネスを超える価値観を共有し、ビジネスを超える偉大な目標に向かって 組織の成員の心を収斂してゆくプロセスである。 経営者たるもの理念を掲げ、 組織体制、人事、戦略と理念との整合性確保に注力せよ。 組織とその成員に潜む可能性―― hidden value――を信じ、その発現に努力せよ。 ビジネスの目標は自ずから達成される。 この書はこうして高業績をおさめてきたアメリカ企業の存在を紹介し、 「経営とは」という重い課題に新しい光を当てている。

日本アイー・ビー・エム株式会社 最高顧問 椎名武雄

War for Talent"という言葉に代表されるように、 優秀な人材を確保することこそが 競争優位の絶対条件であるかのように語られつつある。 しかし、世の中には普通の社員をもって 非凡な業績をあげ続ける企業がいくつもある。 何故か? オライリーとフェファーという二人の組織行動学者は 本書でいくつもの説得力のある実例を用いながら この設問に対する解答を提案している。

富士ゼロックス株式会社 代表取締役会長 小林陽太郎

会社とは何か。 私は価値観を共有する人の集まり、だと理解している。 そういう会社なら、 誰から命令を受けなくても、自律的に発展する。 本書は世界有数の企業について、 こうした観点から、その成功の秘密を明快に説き明かしている。

萬有製薬株式会社 代表取締役会長兼社長 長坂健二郎

本書では、経営者の使命は、 様々なマネジメントコンセプトを取り入れることではなく、 自らの経営哲学によって 企業の進むべき方向を示し、 それを一貫して追求することだとしている。 このような経営姿勢が、 経営資源の中でも最大の可能性を秘めている 社員の熱意や隠れた才能を引き出して 企業を成功に導いている実例に接し、 私は大いに意を強くした。

株式会社資生堂 代表取締役社長 池田守男

洞察に満ちあふれた本だ。 オライリーとフェファーは、 素晴らしい企業の事例を豊富に紹介している。 価値観を守り、人材を重んじるという経営手法は いかにして、そしてなぜ、 高い効果を生み出すのだろうか。 筆者たちは説得力をもってこの点を解き明かしている。 「偉大な企業を築き、末永く繁栄を享受したい」と願う すべての人必読の一冊である。

スタンフォード大学教授 『ビジョナリー・カンパニー』共著者 ジェリー・ポラス

高いロイヤルティを築くことが 高業績企業への道だろう。 「顧客や社員から ロイヤルティを引き出す方法をぜひ知りたい」 こう考える企業リーダーにとって、 本書はまさに優れたケーススタディの宝庫といえる。

ベイン・アンド・カンパニー・フェロー 『顧客ロイヤルティのマネジメント』著者 フレデリック・F・ライクヘルド

週刊東洋経済 2002/06/22

本書はごく普通の人材でもその能力を最大限に活かせる仕組みをつくってやれば、企業は好業績を維持できるという信念を、八社のケーススタディで見事に証明した好著だ。著者たちの主張は一貫している。企業はまず価値観でありきで、それと戦略、経営慣行が首尾一貫している、すなわち価値観が戦略や経営慣行に反映されていることこそ重要であり、そうなって初めて企業は人材の能力を最大限活かせられるという主張だ。好業績企業の経営慣行や流行の戦略を安易に真似しただけでなかなか業績の上がらない企業の経営陣、企画、人事部門の方々には、是非とも本書をじっくり読んでいただきたい。


Type 2002/06/18

企業の生存競争がワールドワイドで激化する今、「ビジネス戦略」は欠かせないものとなっている。たが、いくら卓越した戦略を採用しても、まったく効果が上がらないと悩むリーダーも少なくない。その悩みに解決の糸口を与えてくれるのが、「隠れた人材価値」だ。本書では「まず人ありき」で戦略を立てる、つまり、いかにして既存社員から潜在能力を引き出すかを最優先に考える手法を提唱している。
 
 

チャールズ・オライリー

スタンフォード大学ビジネススクール教授、ハーバード大学ビジネススクール客員教授。アメリカ、ヨーロッパ、日本の様々な公的企業、民間企業にコンサルティングを行ってきたほか、企業文化、写真のコミットメント、役員報酬、社員構成、人材マネジメントなどをテーマに多数の論文を発表。著書に「競争優位のイノベーション」(共著:ダイヤモンド社)などがある。
ジェフリー・フェファー
スタンフォード大学ビジネススクール教授。イリノイ大学、カリフォルニア大学バークレー校で教鞭を執ったほか、ハーバード・ビジネススクールの客員教授も務めてきた。世界二四ヶ国のエクゼクティブ向けセミナーに講師として招かれた経験を持つ。著書に『人材を生かす企業』(トッパン)、『変われる会社、変われない会社』(流通科学大学出版)などがある。
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