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◇ 第一章 マーケティングの危機-----お金では解決できない! ◇ |
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◆ マスメディアよ、安らかに眠れ。これからはニッチメディアの時代だ! テクノロジーの発展した市場では、生活者はそれこそ多種多様な広告にさらされることになる。FCCがテレビ界の王者だったころは世の中にたった三つのネットワークと一握りのローカルテレビがあっただけだった。ネットワークは、街唯一のテレビ会社だったがゆえに巨額の利益を得ることができた。現在、テレビ局は何ダースも(地域によっては何百も)あって、その数だけチャンネルも、ある。 人気テレビ番組「ザインフェルド」の最終回が各メディアの見出しを飾る時代である(30年前であったなら、視聴率調査会社ニールセンのトップ25にもランクインしなかったろうと思われるが)。数限りなく放送される番組の数のおかげで(たとえそれ全米ネットワーク放送番組であったとしても)逆に、視聴者のだれにも届いていないのではないかと思うのだ。もっとひどい状況にあるのがWWW(ワールド・ワイド・ウェブ)である。最新統計によれば、200万もの商用ウェブサイトがあるとのことである。ということはひとつのサイトに25人がぶらさがっているということで、いくら土足マーケティング担当者がマス・マーケットを好きだといっても、手に負えない規模である。 アルタ・ヴィスタ(Alta Vista)は、最もよくできた、そして、最も訪問者の多いインターネット・サーチエンジンだが、一億ものページを用意しているという。つまり、あなたが検索をかけると、一億ページのデータベース内をざーっつ、とサーチしてくれる、というわけだ。 毎月、アルタ・ヴィスタは9億ページを訪問者に提示している。つまり、用意しているページ数の九倍の回数だけ、顧客の画面に登場しているわけだ。 だから、いくらおしゃれな企業サイトを作り、お客さんの訪問を待っていても、確率は途方もなく小さいものとなる。あなたが用意したサイトにお客さんがひっかかるのは、大海に落ちた釣り針を探すような確率だ。非常に低い。 マーケティング担当者はこれまで、混乱した市場の中で目立つために、ウェブ・サイトに大金を投じてきた(そしてその殆どを、ドブに捨ててきた)。ゼネラル・エレクトリック社(General Electric)のサイトは数千ものページを持っている。ジフ・デヴィス社(Ziff-Davis)のサイトはなんと25万以上もの(!)ページだ。そしてその結果、皮肉なことに、混乱をよけいに増し、マーケティング努力を効果のないものにしてしまっている。 |
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