Outlook 2000のカスタマイズ

 通常、多機能なツールであればあるほど、操作方法が複雑で、なかなか機能を使いこなせない場合がよくあります。Outlook 2000は、この点をユーザーが自由にカスタマイズできるようにすることで解消しようとしています。しかし、実際このカスタマイズ機能を使いこなすには、さらにいろいろな知識が必要になります。
 Outlook 2000は、いろいろなカスタマイズ方法を搭載していますが、そのすべてをここで網羅することはできないので、画面からパラメータを変更して実現可能な簡単なカスタマイズについては他の操作マニュアルにお任せすることにします。ここでは、プログラミングによるカスタマイズに焦点を絞ってご紹介します。
 プログラム開発者が、Outlook 2000を独自にカスタマイズするために、4つの方法が用意されています。

方法1

完全なOLEオートメーションオブジェクトモデル
 Visual Basic、またはVisual Basic for Applicationsを使うと、Outlookのデータをオブジェクトとして簡単に操作できます。例えば、Outlookのアイテム、フォルダ、添付ファイル、およびそのほかのオブジェクトの作成、変更、削除を行なうことができるのです。OLEオートメーションオブジェクトモデルには40個以上のオブジェクトが定義されています。

方法2

Visual Basic for Applicationsのマクロ
 Outlookオブジェクトモデルを使って、Outlookの操作を自動化するためのマクロを作成できます。また、Outlookでさまざまなアプリケーションイベントに応答し、ほかのOfficeアプリケーションを操作するVisual Basic for Applicationsコードを作成することもできます。

方法3

Visual Basic Scripting Edition
 ユーザーの操作に応答するVBScriptコードを作成し、実行できます。例えば、Outlookのアイテムを開く/閉じる、送信する、またはプロパティを変更するなどのイベントに対応したコードを記述できます。フォームのデザイン時にVBScriptを使用すると、フォームにさまざまな機能を追加することができます。またVBScriptでは、Outlookのオブジェクトモデルのすべての機能を利用できます。

方法4

COM(Component Object Model)アドイン
 Outlook用の拡張機能を作成するには、Visual Basic、C/C++、またはActiveXコンポーネントを作成できるプログラミング言語を使用できます。拡張機能を使用すると、ユーザーの操作に対して一定のアクションを実行することができます。例えば、ユーザーがOutlookのアイテムを開いたり、選択対象を変更したりしたとき、またはメニューコマンドやツールバーのボタンをクリックしたときにアクションを実行する拡張機能を作成できます。

 これだけ、カスタマイズ環境がそろっていると、Outlook 2000を自分専用のアプリケーションに作り変えることができそうな気がしてきます。まさに、それを目的として、これらは用意されているのだといっても過言ではないでしょう。
 ここでそのすべての手法を紹介することはできませんが、もっとも入りやすく、また実用的でもあるVBAを使う方法2について、例を交えながらカスタマイズに挑戦してみましょう。