DAO、RDOとの比較

 ADOは現状では、DAO、RDOと共存し、使い分ける必要がある。なぜならば、まだ完全には機能をサポートしきれていないからである。どんな場合にどれを用いるべきかも把握しておく必要があるだろう。以下にDAO、RDO、ADOについて概略を示しておく。

■DAO(Data Access Object)

 Microsoft JetデータベースエンジンをODBCを介してアクセスするオブジェクトであり、単一システムのアプリケーションや小規模でローカルなネットワークで使用するのに適している。Jetも進化し続けており、以前よりも、いろいろ制限から開放されてきたように思われる。安価な小規模のシステムでは、もっとも使用頻度が高いアクセスオブジェクトであろう。

■RDO(Remote Data Object)

 オブジェクト指向の、対ODBCデータアクセスインターフェイスであり、使用方法はDAOと似ている。リレーショナルデータベースにアクセスするのに既存のODBCドライバを必要とするが、大規模なリレーショナルデータベースの開発者の多くはこのアクセスオブジェクトを使用している。

■ADO(ActiveX Data Objects)

 DAO/RDOの機能を継承するインターフェイスだ。ADO 2.0は、機能面ではRDOにもっとも類似している。また、ODBC OLE DBサービスのプロバイダを介したインターフェイスが使用可能だが、現時点では、ADOからODBCデータソースを作成することはできない。
 このようにADOは、現時点ではDAOの機能を完全にはサポートしていない。上記以外にも、データ定義 (DDL)、ユーザー、グループなどが未サポートとなっているが、最終的にはDAO からADOへの変換を支援するADO DDLコンポーネント、および OLE DBプロバイダのための汎用 DDL サポートが提供される予定である。