ADO(ActiveX Data Objects)とは

 これまでのデータアクセス手法は、各データベースごとに異なるのがあたりまえの世界であった。例えば、Access形式ファイルにはDAO(Data Access Object)、Oracleなら0040(Oracle Object for OLE)、SQL ServerならRDO(Remote Data Object)といった具合だ。しかし、これはVB 5.0までの話である。VB 6.0からは、ADOを用いることにより、この複雑なアクセス状況を統一しようとする動きが出てきた。現状ではまだすべての機能を統合したとは言い難いが、近い将来必ずADOで統一する、とMicrosoftは方針を打ち出している。このことからも、今後作成するデータベースアプリケーションは、できる限りADOを使って作成した方がいいだろう。
 ADOは、Microsoft Internet Information Server(IIS)のデータアクセスインターフェイスとして誕生し、その後、もっとも広く使われているRDOとDAOの機能を取り込んで拡張されつつある。将来はこれらのインターフェイスに取って代わる存在になるようなので、勉強しておいて損はないだろう。
 このようにADOは、各種プログラミング環境と各種データベースを共通のインターフェイスで接続することを目的として開発されたオブジェクトなのである。ADOの主な利点は、利用が簡単で高速であり、また使用するメモリとディスク容量が少ないことだ。大きな基幹システムをADOに置き換えでもしなければ、実際に高速かどうか、その性能は図りかねるのだが、共通のインターフェイスで使用できるという利点は見逃せない。またADOは、使用方法もそう難しくはない。DAOでプログラムを書いた経験がある人ならば、データベースとテーブルを開いたりする部分以外は、DAOの時と同じような感覚で使えるだろう。